中年、無職、写真を撮る

ささやかな人生の、通り過ぎていく日々を記録する。

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10月の東北旅行の際、フェリーで仙台に着いてすぐ北上して向かったのが蔦沼だった。

朝5時にはもう三脚が並んでいた。

雨が降っていたようで地面は濡れていて、空は雲に覆われていた。風で水面は波立っていて、朝焼けの前に内心いろいろ諦めてしまっていた。

日の出の時間を過ぎてもまだ暗かったけれど、風は収まりつつあるのを感じていた。

雲は切れて徐々に青い空が広くなっていたので、あとは朝日が差せばと、そこにいた全員がそう願っていたと思う。

そして突如、朝日が紅葉を照らした。

虹が出てる、と誰かが言った。小さな歓声がおこった。

 

ささやかな奇跡を目にして、生きていてよかったと思った。

生きててええんやで、と言われているようで、涙が出た。

 

そして僕が撮った写真の拙いこと。恥ずかしくて記事にもしていなかったけれど、むしろ今の僕には相応しいのかもしれないと思い、今更ながら年の瀬に記録しておく次第。