中年、無職、写真を撮る

ささやかな人生の、通り過ぎていく日々を記録する。

2023-01-01から1年間の記事一覧

作家の努力

伊坂幸太郎氏の小説を長らく読んでいなかったのだけれど、先日図書館で「グラスホッパー」単行本を借りて読んだ。 最初に書いておくけれど、本当に面白かった。売れるのも納得で、この著者の他の小説も是非読みたいと思わせる内容だった。 しかしながら、実…

後悔は積み重なる

遠方で一人暮らしをしていた叔父が亡くなった。いわゆる孤独死だった。 幼いころはかわいがってもらったのに、疎遠になっていたことをいまさら悔やんでいる。ありがとうを言えるあいだに伝えておかないといけないとわかっているのにできない。そして後悔は積…

夕焼けの条件

美しい夕焼けを見たことがない人はほとんどいないと思う。しかし実際のところ、ちゃんと見たことがある人は本当に少ない。 夕焼けがなぜ赤くなるのか、Google先生に尋ねてみたらいろいろなサイトを紹介してくれる。 太陽から地表に向かって矢印が伸びている…

砂場あそび

荒れ果てた両親の家の庭の片隅に、かつて砂場だった場所がある。 砂遊びが大好きだった私の息子のために、父が作った。 レンガで囲われた小さな砂場は、息子のお気に入りの場所だった。使い古しの鍋やジョウロで時間を忘れてよく遊んだ。 あれから10年近い時…

あじさいの花

花が好きだった母が元気なときに植えたあじさいの花がいま庭のあちこちに咲いている。 母の手を引いて見に行ったら、綺麗ねと言って嬉しそうにしていたけれど、もちろん花の名前は思い出せなかった。 両親がいなくなったあと、この庭をどうしたものか、どこ…

神秘体験

地下鉄サリン事件で逮捕され、その後死刑執行された広瀬健一という男がいる。 彼のことはWikipediaにとても詳しく記述されている。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E7%80%AC%E5%81%A5%E4%B8%80 多くの人命が奪われ今なお後遺症に苦しむ被害者も…

肩書と学歴

振り返ると、出世や肩書にこだわる人を、私はおそらく心の何処かで馬鹿にして生きてきた。 そういう人の多くが実力以上の評価を求めているように私の目に映ったということもあるけれど、根本的には私の驕りがあったのだろうと、今は思う。 私は、何をやって…

折り返し点はとっくに過ぎている

人生はやり直しの利かない一度きりのものだということが今頃になって怖くて仕方ない。情けない話だと思う。私は本当にちっぽけな人間だ。 日々をふらふらと過ごしながら、それでもこの自分が生きた証を何かしら残したいなどと心の何処かで願っている。ならま…

老いるということ

いつもの場所で日没を撮って帰宅したものの、駐車場から眺めた雲の形が気に入ったので、引き返して撮った写真。 両親の老いていく姿に、私は自分の将来を見る。 今日も母は朗らかに生き、しかし、私の名前を思い出せなかった。 遠くない将来、父も母の後を追…

日没を眺める

水田のリフレクションを楽しめるのは一ヶ月程度。 カエルの合唱に包まれながら日没を眺める、贅沢な日々。

また無職になった

2023年3月末、5年ぶりに、また仕事を辞めるというイベントを通過した。 生活の不安と引き換えに手に入れる自由な時間はとても貴重だと思う。